感想(ネタバレあり)
読者の(たぶん)9割以上がげんしけん2代目のアナザーストーリーと思っていた本作。
ところがどっこい、この3巻では雲行きが怪しくなってきました。
何と2巻で生まれた赤ちゃんを「咲」と名付けたのです。
え?
だって咲という名前は・・・。
このことでげんしげんのファン層の一部は激おこしているらしいですね。
まあわかんなくもありません。
みんな班目と咲さんのお話だと思ってたのにその子供の名前が咲なんて。
これで奥さん=咲さんという可能性が消失したのですから。
まあこの辺は読者がどう取るかに関わってきますが、私は今でもげんしけんのアナザーストーリーと思っています。
別の世界線だから名前がげんしけんの世界と異なることだってありえるだろうと。
ただそっちはそれでいいですけど、この3巻に関してはもう一点賛否両論なところがあるのですよね。
個人的にはそっちが問題だと思います。
元カレと一緒のところを見てしまうと
無事出産した奥さんを見舞うために大学時代の友人たちがやってきます。
そしてその中には奥さんの元カレの姿も。
とっくの昔に切れているでしょうけど、旦那さんとしては心中穏やかではないでしょうね。
元カレと旦那さんが未だにオタクの友情で繋がっているから元カレも見舞いにきたのでしょう。
旦那さんの自業自得とも言えなくもありません。
まあ旦那さんの気持ちを察した奥さんと元カレはいろいろと旦那さんに気を使ってあげますが、返ってそのことが旦那さんの心を掻き乱すことに。
変な同情されると逆に惨めになってしまうことってありますよね。
旦那さんはまさにそんな感じなんでしょう。
惨めな気持ちを消してくれるのはやっぱり後輩君だった
帰宅した旦那さんはBL作家で大学時代に旦那さんを慕っていた後輩君に電話を掛けます。
家にやってくる後輩君。
身なりは完全にキレイな女性ですけど、元々後輩君は男。
そして胸は豊胸手術して膨らんでいますけど、下の方には男の象徴がついたままの状態です。
夜遅く、旦那さんしかいない家に呼ばれた以上、後輩君も覚悟はできています。
というか、第2巻であれだけきなをかけていたので後輩君にとっては想いを遂げる千載一遇の機会なはず。
そして繋がる二人…と言いたいところですが、ここで旦那さん、まさかのフニャ〇〇状態。
後ろからやろうとしても後輩君に上になってもらってもやっぱりフニャ〇〇を脱することができないのです。
自虐気味に奥さんの気持ちがわかった?と後輩君に話す旦那さん。
その言葉に切れた後輩君は、予定を変えて違うアプローチをすることにします。
後輩君の中では旦那さんは「受け」のポジション。
そして後輩君にはまだ付いているのです。
まあいわゆる、「あッ~」状態にw
この辺が今巻最大の山場。
是非漫画を購入してご確認ください。
そっちの気がない方も臨場感で興奮するかも。
事が終わり、お腹に手を置いている旦那さんが妙にリアルです。
その一方痕跡を消すために消臭剤をベッドルームに撒く後輩君。
こういうところはしっかりしてますね。
そして後輩君は帰っていきます。
あ~あ、とうとうやりやがったなあって感じですね。
まあストーリー上、アリと言えばアリですけど、これやるとギスギスしか残らないような気がするのですよねえ。
旦那さん隠しごと下手そうだし、奥さんは勘がするどそうですし。
そして今回の不倫が奥さんにバレた場合、どういう風になるか?
一番可能性が高そうなのは仕返しに奥さんが元カレとの不倫して喧嘩両成敗になってそのまま仮面夫婦関係へってパターン(もちろん雨降って地固まるとなり、元通りに再生する可能性もありますが)。
班目と咲さんの幸せな生活を見たかった読者としては最悪な展開ですわ。
まあね、原作者の木尾士目先生もそういう読者の願望をわかった上でこのストーリーを考えたのかもしれませんけど、げんしけんが好きだった者からすればかなりキツイです。
メインストーリーとサイドストーリーが半々
メインストーリーは子供の名付け、元カレとの居た堪れない空気感、そして後輩君の不倫って感じで進んでいきます。
ただそれだけでなく、この3巻ってこのメインストーリーと同じくらいの分量で後輩君とそのマネージャーさんが主役のサイドストーリーが掲載されています。
こっちは漫画家として生活メインでこっちはこっちで興味深いです。
でもやっぱりメインストーリーが今度どうなるか気になりますよねえ。
次巻が早く読みたいです。
4巻の感想記事を読みたい方はこちらからどうぞ。