感想(ネタバレあり)
冴えカノのスピンオフ、恋するメトロノームも今巻で終わりです。
タイトルに書いた通り、詩羽先輩大勝利の結末でした。
まあこれに関しては雑誌掲載時の最終ページの画像が拡散されて知っている人もたくさんいることでしょう。
ただコミックスにはその後の話がちょっとだけ掲載されています。
ホントにちょっとだけですけどね。
まあ雑誌にも掲載されたのかもしれませんが。
気になる方は是非コミックスを購入してどういうことになっているかご確認ください。
また前巻第9巻の感想記事はこちらからどうぞ。
【漫画】冴えカノ恋するメトロノーム第9巻の感想(ネタバレあり) 「アニメ化成功は諸刃の剣!!霞詩子は納得しても霞ヶ丘詩羽は納得してる?」
決められた結末へのルートを書いただけで霞詩子らしさがない
純情ヘクトパスカルアニメ2期の仕事を淡々とこなす詩羽先輩。
第1期が大成功したことで出版社もアニメ制作会社もそしてファンも第2期に期待大。
でもこの大成功が詩羽先輩をある意味苦しめます。
それは結末を決められてしまったから。
アニメで人気が出たキャラと主人公がくっつく結末。
今はファンの声も重要ですからねえ。
ちょっとでも気に入らないような結末になるとファンがネットで大騒ぎするのも珍しくありません。
作家の気持ちとは関係なしにファンが望む結末を書くことになった詩羽先輩。
葛藤も何もないその結末へのルートを描き上げ、第9巻の原稿として倫也に渡します。
楽しみ勇んでその原稿を読んだ倫也ですが、すぐに詩羽先輩に電話して書き直しを求めます。
電話では原稿のどこが悪いか誤魔化した倫也。でも倫也は悪い点をしっかりと認識してました。
だって倫也は霞詩子の一番のファンだから。
サイン会でサイン貰うために一番早く並ぶくらいのファンだから。
葛藤も迷いもない一直線に決められた結末に突き進むストーリーなんて霞詩子の作品じゃない。
詩羽先輩が描き直した第2稿も根本的な解決になっておらず、倫也は第9巻の出版延期を決断。それを編集長である町田さんに了承してもらいます。
霞詩子を見出した町田さんも原稿を読んでこれではダメだと思ったのでしょうね。
そうじゃないと人気作品の出版延期なんて決断できませんから。
出版を延期したため関係各所に謝りに行く倫也。
これも担当編集の大事な仕事です。
辛いですねえ。
文雄ちゃんの想いがここで明らかに
意気消沈して帰宅した倫也を家の前で待っていた文雄ちゃん。
どうやら文雄ちゃんも原稿を読んだらしく、だいぶんご立腹のようです。
文雄ちゃんも倫也に優るとも劣らない霞詩子のファンとなっており、その文雄ちゃんから見てもあの原稿は全然ダメ。
そしてその怒りを倫也にぶつけます。
これ理不尽過ぎる!!
とも思わなくもありません。
しかし倫也がしっかりと詩羽先輩を誘導できれば、というか、前巻で作品の結末を勝手に決められ、それを通告された後に詩羽先輩の様子がおかしくなったことに気付いていれば。
倫也を罵倒した文雄ちゃんは次にある提案をしてきます。
それは霞詩子を復活させる提案。
倫也と詩羽先輩と自分、3人で復活させる。
どうしてそんな提案を文雄ちゃんがするのか?
それは文雄ちゃんが霞詩子を愛しているから。
そして…。
その言葉を吐いた後、少しきょどる文雄ちゃん可愛いです。
でもやっぱりそういう気持ちになっていたのですねえ。
まあこういう風になるのがこの手の作品のお約束ですので。
ああ、言っときますけど、詩羽先輩とレズになりたいということではありませんからね。
その言葉を聞いて泣き崩れる倫也。
うん、君大事なところを無視しているよね。
確かに詩羽先輩のことも大事だけど、もう一つ大事なこと文雄ちゃんが言ったの覚えている?
文雄ちゃん可哀想。
でもここで倫也が文雄ちゃんの気持ちに応えたら詩羽先輩完全に闇落ちして復活できませんからねえ。
倫也のお願いに
「任せとけっ」
と答える文雄ちゃんカッコいい!!
さあ、霞詩子復活作戦の開始です。
詩羽先輩の待ち望んだ、詩羽先輩派が待ち望んだ結末
文雄ちゃんの兄の車に乗せられて詩羽先輩がやってきたのは和合市。
恋するメトロノームと純情ヘクトパスカルの舞台となった地。
そこで詩羽先輩を待っていたのは倫也と文雄ちゃん。
別れ際、文雄ちゃんの兄に頭を殴られる倫也。
この意味、倫也はわかっていないでしょうねえ。
せいぜい「こんな美人に好かれて羨ましい」とこの文雄ちゃん兄が嫉妬していると思うぐらいでしょう。
でもこれは明らかに妹に関することであるのは確実。
妹を泣かせるな!!か、妹のことを頼むという意味だと個人的には理解しました。
まあ、間違っているかもしれませんけどね。
さて二人が和合市へ詩羽先輩を呼び寄せた理由。
それは合宿のため。
二人はマンションの部屋を借りており、1か月間3人で合宿することを宣言します。
さらに二人はすでに1週間同居していることをバラす文雄ちゃん。
明らかな煽り行為。
でもそれに乗ってこない詩羽先輩。
詩羽先輩重傷ですねえ。
いつもならちょっと煽るだけで乗ってくるに。
これを治すには普通の方法では無理でしょう。
だからそれもあって倫也と文雄ちゃんは合宿を思いついたのです。
アニメ版の結末は変えられない。
でも他のヒロインの各ルート全部作ってしまう。
そうすれば詩羽先輩が本当に描きたかったことも描けるはず。
そしてアニメ版で使われないルートはドラマCDやコミカライズで使えばいいし。
何かどっかで見たような手法ですがこれだと詩羽先輩も関係者もウインウイン。
まあ、1か月で全部仕上げる必要があるのでブラック企業顔負けの作業を全部しなければいけませんけど。
でも詩羽先輩とその他2名はやり遂げます。
これぞ霞詩子とその一党という感じです。
そして1人先に自宅へ帰る文雄ちゃん。
今夜だけは見逃してあげるからね?
意味深な言葉を残して去っていく文雄ちゃん。
その意味するところは…。
ここからが今巻のメインですね。
文雄ちゃん、町田さんと竹下Pのシーンが描かれ、最後は倫也と詩羽先輩。
恋する二人が二人きり。
当然…。
まあ、倫也は最後までヘタレますがw
翌朝目を覚ます詩羽先輩。
結局夢オチかよ。
うん、でも倫也の背中にはなんか爪で引っかかれた後があるし、何より詩羽先輩も倫也もすっぽんぽんなんですけどw
アニメ第1期の6話でも同じようなシーンあったけど、今度は…。
ようやく詩羽先輩と詩羽先輩派が報われました。
これですよ、私たち詩羽先輩派が待ち望んだのは。
二人の幸せな未来。
これです。詩羽先輩に不幸は似合いませんから!!
倫也と詩羽先輩が結ばれるシーン。
一般漫画にしてはかなり頑張っていると思いますよ。
終わりに
最後にエピローグがちょっとだけあって恋するメトロノームこれにて完結です。
もう言うことありません。
丸戸先生、深崎先生、そして武者サブ先生、ホントにありがとうございました。
大満足でございます。
これで冴えカノも劇場版を残すだけですか。
寂しいですけど、間延びするよりはマシですからね。
関係者のみなさま、楽しい作品ありがとうございました。