【ラノベ】ダンまち15巻の感想「ベル君たちの日常と過去」

 

ラノベの感想記事という性質上ネタバレを含ます。読まれる際はその点にご注意ください。

 

 

絶望に次ぐ絶望だったダンジョン遠征から一変してこの15巻ではベル君たちが帰還した後の日常と過去が得画れております。

 

過去の話はアニメ版BDの特典小説に手を加えたものらしいですが、現在との話との連結が絶妙でよくできていると思いますわ。

 

 



 

各章の主人公になっているのは、ベル君、ヘスティア、エイナさん、リリ、ヴェルフ、リューさん、春姫・命。

それぞれ読みごたえがありました。

 

個人的に面白かったのはエイナさんとリューさんの章。

どちらもエルフ(ハーフエルフも含む)のはずですけど、セクハラアドバイザーとお姫様だっこする店員って。

 

そんなラブコメ要素もありつつ、最後の最後でアイズが出てきて何かシリアス調な話へ。

黒龍討伐とアイズの血筋。

 

ストーリーの高低差本巻もあり過ぎですわ。

 

 

 

第14巻の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。

【ラノベ】ダンまち14巻の感想「リューさんの過去とイチャイチャと決着」

 

 

 

 

ベル君とヘスティア様の過去「入団できない冒険者と入団希望がいない神様の出会い」

団員も増えて賑やかになったヘスティア・ファミリア。

ベル君とヘスティアさまの頑張った結果が実を結んだと言っても良いでしょう。

 

そんな二人が迷宮都市オラリオに着た当時のお話がそれぞれの章で描かれております。

 

ベル君は今と変わらないお人よし。

馬鹿正直というか純粋というか。

でもそこがベル君の良いところ。

 

ベル君と接すると浄化されるのか、周りの人たちもちょっと良い性格になる感じがします。

お人よし過ぎて見てられず、いらんこと言ってしまうだけかもしれませんが。

 

 

一方のヘスティアさま。

ロキを超えるファミリを作るため、へファイトスのところに厄介になりますが、3か月の間ニート生活に明け暮れ、ヘファイストスに愛想をつかされる事態。

 

そんな二人が出会い、ヘスティア・ファミリアが船出することになります。

入団を断られ続けた眷属と入団希望者がいなかった神様のタッグ。

 

まあ、すぐにダメになるだろうと普通は思いますが、相性が良かったのでしょうね。

今では中堅ファミリアの一角となってしまったのです。

 

二人がもし出会わなかったら。

ベル君とヘスティアってどうなってたのでしょうね?

 

 

 

アドバイザーエルフのセクハラとベル君担当になった理由

 

第14巻までのダンジョン遠征の報告を聞き、倒れそうになったエイナさん。

そりゃあそうです。

ベル君を心配し、冒険者は冒険しちゃダメと口を酸っぱくして言ってたのに、ベル君は満身創痍で深層まで行っちゃったのですから。

 

でもベル君を抱きしめるのは職権乱用ですよね。セクハラですよね。

 

ギルドの同僚たちが知ったら卒倒するかも。

 

そんなエイナさんがギルドに入った当時の話が過去の話として描かれおります。

 

アドバイザーとして最初に担当した冒険者との出会い、そして死。

それがエイナさんを変えました。

 

冒険者たちに教育を施し、ダンジョンや冒険の知識をたたき込む。

そうすることで生存率をあげようとしたのです。

 

そんな時現れたのがベル君。

他のアドバイザーたちは冒険者としてベル君は大成しないと判断した中、エイナさんがベル君のアドバイザーを引き受けます。

 

仮に他のアドバイザーがベル君の担当になったらベル君はダンジョン知識無く冒険をして、たぶん死んでたでしょうね。

そしてエイナさんはベル君が冒険者として大成した副産物をゲットすることになります。

 

まあ、それを使ってデートを画策するのは色ボケエルフいい加減にしろとしか言えませんけどね。

 

 

 

リリは娼婦として売られる一歩前だった

派閥連合の指揮官としてダンジョン遠征を終えたリリ。

その結果レベルアップを果たして満足気。

 

まあ、気持ちはわかります。

ベル君と出会って救ってもらうまでロクな人生送ってませんからね。

 

そんな悲惨なリリの過去がこの章では描かれます。

 

ソーマ・ファミリア時代。

ソーマの酒を飲んでしまったのが運の尽き。

 

人生真っ逆さまに落ちていってしまいます。

まあ、ソーマがもうちょっとファミリア運営に積極的になってたら、リリの人生もだいぶ変わってたかもしれませんけど。

 

正直冒険者としては非力すぎるリリ。

でも女の子という属性があれば活躍できる世界もあります。

それが娼婦の世界。

 

ソーマファミリアの冒険者たちにリリは娼婦として売られる一歩前まで行ってました。

 

 

しかしあるキャラのおかげで娼婦として売られる話は無かったことに。

助けてくれたのは現在のソーマファミリアの団長。

 

花屋の老夫婦といい、この団長といい、リリも良い人に出会ってはいたのですね。

 

でも不幸が強すぎてそんな良い人いてもリリの人生は真っ黒なまま。

 

ベル君と出会わなかったならリリはどうなっていたか?

 

何か本巻の過去の話って「特定のキャラとの出会いがなかったらどうなっていたか?」ということばかり考えさせられますわ。

 

 

ヘファイストスの言葉を遮ったヴェルフはアホ

実質8巻のヴェルフの話の続きとその前日譚とも言うべき内容だったヴェルフの章。

せっかくヘファイストスさまがヴェルフの告白の返事をしようとしたのに。

 

自分が作った魔剣を褒められたことで大事なところを遮ってしまったヴェルフは本当のアホですわ。

 

そんなアホのヴェルフ。

彼がヘファイストス・ファミリアに入るまでの話が描かれます。

 

てっきりヘファイストスが最初の主神だと思ってたのに、その前に眷属となってた主神いたのですねえ。

でも主神はヴェルフを逃がすために…。

 

ヴェルフが魔剣嫌いだった意味がよく伝わってくるストーリーでした。

 

 

 

ベル君をお姫様だっこするリューさんとアストレア・ファミリアとの出会い

14巻のエピローグ呼んだ後、一番読みたいと思ったのがこのリューさんの章です。

 

ベル君との関係に悩むリューさん。

そんな中、派閥連合のダンジョン遠征打ち上げが豊饒の女主人で開催されることに。

もちろんリューさんだけお休みすることもできず、リューさんも給仕しますが、そこで抜け出したリューさんとベル君が。

 

まあ、普通お姫様だっこって男性が女性をするもの。

ベル君もヘスティアさまをお姫様だっこしてましたよね(アポロン・ファミリアにホームを襲撃された時とか)。

 

しかし、今回お姫様だっこしたのはリューさん。

リューさんがベル君をお姫様だっこしたのです。

 

まあ、リューさんって凛々しい男役みたいな感じもあるので、これはこれでアリなんじゃないでしょうかねえ。

 

そしてベル君がアストレア・ファミリアの話をリューさんに強請ったことから過去の話へ繋がります。

 

今以上に潔癖でザ・エルフって感じだったリューさん。

エルフの里を抜け出してオラリオにやってきたけど、性格が災いして居場所が無い。

 

そんな時出会ったのがアストレアさまやアリーゼ。

結果的にアリーゼとの出会いがリューさんの運命を変えることになります。

この頃からアリーゼは正義のことばかり考えてたのですね。

 

あと何気にこの時代にリューさんとジュラは出会ってました。

出会いも最悪、そして仇敵として殺し合う仲へ。

これも運命ってやつなんでしょうか。

 

 



 

 

 

ベル君の部屋に入り込むことができる春姫って結構アドバンテージあるかも

春姫と命の章は過去と現在の話が他の話より入り組んでいる印象でした。

一応春姫や命が極東にいた子供時代の話も描かれていますが、興味をそそったのは春姫がベル君の部屋に潜り込んでいるという話。

 

ヘスティアやリリなど、ベル君への愛情を隠さないキャラはたくさんいますけど、春姫が一番美味しい位置にいますね。

だって深層での絶望が原因で長時間眠れなくなったベル君を寝かしつける役を担っているのですよ。

そしてそんな春姫をアシストする命。

 

命のアシストがなければ春姫がベル君の部屋に入っていることをヘスティアが気付き、春姫はベル君の部屋への出入り禁止になってたことでしょう。

 

命グッジョブですわ。

 

 

アイズは一体何者?

アイズの話がダンまち本編で描かれるのって久しぶりな気がします。

ダンジョン遠征中はほとんど名前が出てこなかったので。

 

でもこの15巻では最後の最後で彼女の動静というか、彼女の出自の話にスポットが当たります。

 

丁度冒険者の生き死にの話と相まって何か切なさを感じてしましますわ。

 

アイズは一体何者?

その出自は英雄と関係あるのか?

 

そして黒龍討伐の話は?

 

 

 

ダンまち第15巻を読み終わって

内容的には短編集のような感じですが面白かったです。

キャラが掘り下げられてより物語の深みが増したかと。

 

この流れでアイズの話が続くのか?

それとも関係ない別のキャラがメインとなるのか?

 

次巻が楽しみです。