【ラノベ】ダンまち第9巻の感想 「ウィーネとの出会いと別れ」

 

感想(ネタバレあり)

 

この9巻から新章突入です。ベル君が再び厄介ごとを背負い込みます。

 

 

 


悪気がないのですけど、悪気がないからたちが悪い。

でも仕方ありません。

困っていたウィーネ(竜女・ヴィ―ヴル)を助けないベル君はベル君じゃないので。

 

第8巻の感想記事は以下のリンクからどうぞ。

【ラノベ】ダンまち第8巻の感想 「主要キャラたちの恋愛模様が満載です!!」

 

ベル君とヴィ―ヴルの少女との出会い

 

ヘスティア・ファミリアのパーティで18階層に辿りついたら、モンスターの異常発生に遭遇し。その討伐に駆り出されたベル君たち。

 

その途中ベル君だけが道に迷い、ある少女と出会います。

少女は竜女(ヴィ―ヴル)。

言葉を喋る彼女はモンスターだったのです

 

今までダンまちに登場したモンスターはミノタウロスをはじめ雄叫びぐらいしか口にしないものばかり。

まさか言葉を喋るモンスターがいたとは。

 

モンスターなら当然討伐の対象ですが、なぜか攻撃できないベル君はヴィ―ヴルを探す冒険者たちからヴィ―ヴルを隠します。

 

あ~あ、また厄介ごと背負い込みやがった。

多くの読者はそう思ったことでしょう。

 

まあ、それはほぼ当たり。

このヴィ―ヴルを助けたことが、ベル君を始めとするヘスティア・ファミリアに大きな影響を与えることになるのですから。

実際はヘスティア・ファミリアに留まらず、オラリオ全体を揺るがすことになりそうな気配ですけどね。

 

 

ヴィ―ヴル改めウィーネとの生活が始まる

 

喋ってもモンスターに変わりありません。

リリたちは当然助けることに反対します。でもリリたちもわかっています。ベル君がヴィ―ヴルを見捨てることはできないと。

そして自分達もモンスターを庇うベル君を見捨てることができないことを。

 

リリの進言に従いダンジョンを脱出してヘスティア・ファミリアのホームに匿うことにしたベル君達。

しかしヴィ―ヴルを連れてダンジョンを出るところはある人物たちに察知されてしまいます。

察知したのはギルドの主神ウラノスとそのウラノスの手足となって動くフェルズ。

どうやらウラノス達も喋るモンスターの存在を知っているようです。

 

 

さてヴィ―ヴルをホームに連れてきたベル君達。すぐに事情をヘスティアに話して匿うことを了承してもらいます。

そして始まるモンスターの少女との共同生活。

ヴィ―ヴル改めウィーネと名付けられた竜女の少女は少しづつヘスティア・ファミリアのメンバーと打ち解けていきます。

その過程でちゃっかりベル君との仲を進展させようとする神様もいましたけど。

 

まさに楽しい日々。

でも楽しい日々って長くは続かないのですよね。

 

喋るモンスターを狙うファミリア(イケロス・ファミリア)ギルドからの依頼で喋るモンスターを密輸している者たちを追うファミリア(ヘルメス・ファミリア)、そしてウラノスが率いるギルド

これらのファミリアの思惑がヘスティア・ファミリアやウイ―ネに大きな影響を与えることになります。

 

 

また同時に神様と眷族の間にも不穏な空気が。

神様たちは眷族に何か隠している

 

喋るモンスターを発端にこのオラリオの矛盾点も表面化しそうな気配になってきましたわ。

 

モンスターと人類の共存は遠い

 

ウイ―ネのような喋るモンスターの情報収集をすべくベル君達はダンジョン19階層に潜ることにしますが、今のベル君達では心もとない。

 

そこでベル君達はリューさんに助っ人を頼みますが、見事轟沈。

でも捨てる神あれば拾う神あり。

話を聞いたアイシャが助っ人になってやると言ってくれたのです。でもそれ聞いたリューさんは前言撤回して自分が助っ人になると言い出すことに。

 

まあ、遠目に見ればリューさんとアイシャさんのベル君を巡る戦いに見えなくもありません。

しかし実際は違います。

リューさんは「ベル君の伴侶になる予定の知り合い(シル)」のために

一方アイシャは「末永くよろしくお願いしちまっている妹分(春姫)」のために助っ人になろうとしているのです。

 

まさに正妻の代理戦争というべき様相

これメインすればラブコメ作品1本作れそうな気がしますけどw

 

結局リューさんとアイシャの二人とも助っ人として19階層へ向かうことになったベル君。

18階層でリリがリューさんとアイシャの二人を前に時間稼ぎをしているうちにベル君とヴェルフが19階層に行きますが、そこである人物と出会います。

 

少し毛色の違うその人物が語った言葉。

 

「我々ハ、共生できるト思いますか?」

 

我々?人類とは違うということか?

まあ、ここまで読んで来た読者ならばこの人物は一体どんな種族であるかわかると思います。

何か話がさらにややこしい方向へ向かいそうな感じですね。

 

地上に戻ったリリたちはベル君に抜きでヘスティアにあることを言上します。

「ウィーネを追放すべきと」

 

このままだとヘスティア・ファミリアとウィ―ネは共倒れになると

まあ、追放して知らんぷりという訳でなく、オラリオの外のウィ―ネが自活できそうなところへ追放しようと言うだけまだリリは優しいですけど。

 

根底にあるのはウィ―ネがモンスターであるということ。

たとえ喋っても知性を持っていても所詮はモンスター。いつ襲ってくるかわからないということなんでしょう。

リリでさえこういう考え方から逃れられないのです。

それ以外のオラリオの一般人は言うに及ばないでしょうね。

 

そしてそれがはっきりとわかることが起こってしまうのです。

リリの言葉を聞いたウィ―ネはヘスティア・ファミリアのホームを逃げだします。

その途中ある少年を助けたウィ―ネ。

その少年はウィ―ネに感謝するのが筋ですが、その少年はモンスターであるウィ―ネの姿を見て悲鳴をあげます。

 

現状、人類とモンスターの共存共栄は無理。

生理的に人類側が受けつけないのです。

 

ウィ―ネは何とかヘスティア・ファミリアに保護されますが、このままでは。

そんな時にギルドからベル君達ヘスティア・ファミリアに強制任務が下ります。

内容は「ファミリア全員、及び竜の娘と共に20階層へ向かえ」

 

ギルドに全部バレてる。

ようやくベル君達はそれに気付きます。

 

でもどうして20階層に?

 

強制任務ですので、ベル君達は拒否できません。拒否すればヘスティア・ファミリアは潰されてしまうので。

この間まで歓楽街で好き勝手やってたイシュタル・ファミリアとは違うのです。ギルドから見ればヘスティア・ファミリアなんて吹けば飛ぶ程度の弱小ファミリアなので。

 

ベル君たちはヘスティアと別れて20階層へ向かいます。

イケロス・ファミリアの奴らに尾行されていることを知らずに。

 

 

喋るモンスター「異端児」との出会い、そしてウィーネとの別れ

 

20階層へ向かうヘスティア・ファミリア+ウィ―ネ。

しかしヘスティア・ファミリアのまだ発展途上のファミリアであり、ノウハウや経験がないため20階層への道のりで悪戦苦闘する羽目になります。

 

その中でベル君と命が解毒薬で間接キスをしてしまい、リリがそれを見て嫉妬したりするラブコメシーンもありましたが、久しぶりにダンジョンの怖さを体現するシーンが多かったです。

 

そういえばソード・オラトリアではロキ・ファミリアがらくらく50階層ぐらいまで進んでいましたけど、やっぱりあの人達凄かったんですね。

 

 

さて20階層の定められた場所に到着したベル君たち。

でもそこには何にもない。

仕方なく隅々を捜索したらありました未開拓領域です。

もちろんどっかのOVAとは違って温泉とか湧いてませんからねw

 

未開拓領域深く進みベル君達が出会ったのは武装したモンスターの集団。

そこで戦闘となりますが、モンスターたちも強くベル君達も苦戦しますが…。

 

まあ、これはすべて茶番。

ベル君達を図るためにわざとモンスター達が戦ったのです。

武装するモンスターの正体は、ウィ―ネと同じ喋るモンスターであり、自分達を「異端者(ゼノス)」と呼ぶものです。

 

ここからいろんな情報テンコ盛り。

同じころウラノスと対面していたヘスティアの会話と交代で重要な情報があきらかになっていきます。

 

その中で特に大事な情報は異端児たちの目的と記憶に関すること。

異端児たちはダンジョンを出て地上で生活したいようなのです。

そして異端児たちは「前に生きていた時の記憶が残っている」

 

つまり異端児たちは転生者?

もちろん異世界からの転性ではありませんよ。モンスターが死に、その後に異端者として転生したということのようですので。

 

異端児たちとの楽しい時間が過ぎ、ベル君が異端児たちとお別れの場面へ。

当然ウィ―ネは他の異端児たちと一緒に残ることになります。ウィ―ネは嫌がりますが最後には納得します。

まあ、これが最後ではありませんからね。

最後では…。

 

イケロス・ファミリアとヘルメス・ファミリアの暗闘

ベル君達を尾行していたイケロス・ファミリアの面々はベル君たちの尾行を途中で打ち切ります。

それはベル君たちを尾行する自分達がさらにヘルメス・ファミリアに尾行されていたから。

まさかの二重尾行。

 

ギルドの強制任務ってウィ―ネを安全な異端児の元に送り届ける一方、異端児を狩るイケロス・ファミリアなどの「ハンター」を尻尾を掴むことを意図していたのです。

 

 

イケロス・ファミリアの団長であるディックスは逃亡に成功し、まだまだ異端児狩りすることを宣言。

異端児たちの隠れ里を20階層あたりと目星を付けたようです。

 

これはまだまだ波乱が起こりそうですわ。

 

 

終わりに

ウィーネとの出会いと別れ。

それにいろんなファミリアの思惑が絡んでくるお話でしたね。

 

これまでの出来事もしっかりと伏線だったことがわかり、よく練られているなぁと思いました。

例えばモンスターフィリアもただの見世物ではなく、人類がモンスターになれる一環だったなんて。

あとその思惑をガネーシャが知った上でモンスターフィリアを開催していたとは。

ただの目立ちたがり屋じゃなかったんですね、ガネーシャって。

 

それ以外にも興味深い記述がいっぱい。

もっと知りたい方は原作を購入して読むことをお勧めします。

 


さあ、次巻はイケロス・ファミリアのヴィックスがいろいろ策謀を巡らし、異端児やベル君を巻き込み大騒動になります。

 

次巻も楽しみです。