感想(ネタバレあり)
この8巻はダンまちの主要キャラの恋愛がメインとなる短編集の集合体のようなものです。大きなストーリーの進展などはほぼありません(正確に書くと無くはないけど)。
そのためストーリー重視の方は読まなくても大丈夫かもしれませんが、読めば各キャラの考え方やバッグボーンを理解できて、メインストーリーがさらに面白く感じることができると思います。
特にベル君とヘスティアのファンは必読でしょう。逆にアイズのファンは読まなくてもOK。
前巻である第7巻の感想記事はこちらからどうぞ。
第7巻はイシュタル・ファミリアに囚われていた春姫をベル君が救出するお話。あんなことされたら春姫だってベル君に惚れますよ。
ホントにベル君ってジゴロですわ。
オラリオの外部勢力が攻めてきた
ダンまちのお話は基本オラリオとダンジョンで起こったことがメイン。でも当然オラリア以外にも人は生活するし、ファミリアだって存在するのです。
今巻のプロローグではオラリオの外に存在するラキア王国の軍勢がオラリオに攻めてきたお話。
ラキア軍は男神アレスに率いられた総勢3万。これにはオラリオも苦戦は免れない…ということは全くなく、赤子の手を捻るかのように冒険者たちはラキア軍を撃破していきます。
神様から恩恵を授かった冒険者はそこら辺の兵士とは質が違うのです。買って当たり前、それどころか商業系ファミリアはラキア軍に物資を売りつけて大儲けしようとしているし。
これ本編と繋がるのかしら?
最初読んだ時そう思いました。でもしっかりこの後の話に繋がってます。この辺は上手いなぁと思いました。
命の気持ちがまったくわからない鈍感なタケミカヅチ
第1章はヘスティア・ファミリアの移籍した命のお話。
タケミカヅチに恋心を抱いている命の一途な気持ちとその理由が丁寧に記されています。まあ、子供の時から優しくされてずっとそばにいたら、そりゃあ好きなっても仕方ありません。
一応主神と眷族だったので疑似親子関係のようなものもありますが、実の親子ではありませんし。
外から見ても良い雰囲気のタケミカヅチと命。
ただ問題なのはタケミカヅチが命の気持ちに全く気付いてないことと、誰にでも優しくするところ。
まあいわゆる天然ジゴロって奴です。
困っている女性がいたら助けるのは当たり前。でも度を越すと…。
命ではなくても嫉妬の炎を燃やしますよ。
ホントこの手にキャラってラノベに多いですねえ。
ちなみにタケミカヅチの親友であるミアハもタケミカヅチの同類。女心が全く理解できない様子。ミアハ・ファミリアのナァ―ザも大変ですね。
ただナァ―ザはミアハに正面から文句言えるだけ命よりはマシかもしれませんけど。
まあ、神様と冒険者が一緒になれるかどうかはわかりませんが、この二人はひっついて幸せになって欲しいですわ。
フィンがリリに求婚!?その時ベルはどうする?
第2章はリリのお話。
ベル君のアイズへの想いを知ってしまったリリ。そんな時、ロキ・ファミリアの団長フィンから求婚されてしまいます。
ある意味失恋してしまった感じの時に自分を必要としてくれる人がいる。これは心が大きく動くシチュですよね。
それにフィンはリリと同じパルゥム。40歳を超えるおじさんですが、フィンの見た目はまさに美男子。モテモテで強い。さらにオラリオで1,2位を争う大規模ファミリアの団長。
もう結婚相手には申し分ない相手です。
普通の女性だったら二つ返事で求婚を受け入れるはず。
でもリリは…。
ベルさまがいなければ今の自分はいなかった。ベルさまの想いなんて関係ない。世界のすべてがベルさまの敵になっても自分だけはずっと味方になる。
それが自分を救ってくれたベル様への恩返し。
フィンとの会話で再認識したリリにもう迷いはありません。
そしてリリが返事をした後、ベル君が現れて…。
これを読めばさらにリリが好きになること確実。
ただその一方、ヘスティアってホント性格いいなぁと思うはずです。ある意味敵に塩を送ってますからね。
まあベル君を掛けてアイズと戦うには、敵の敵がいた方が自分に都合がいいと思ったのかもしれませんが。
あとベル君、どうやらお姉さん大好き属性のようです。ちなみにリリも年上。見た目は絶対に年下にしか見えないのに。
ベル君に関しては「ハーレムはいばらの道」という認識を持っていることが今回わかりました。それがわかっているならハーレム要員が増えるようなことをしなければいいのに。
ヴェルフのヘファイストスへの想い
第3章はヴェルフとヘファイストスの話がメイン。
いや、正確に言うとプロローグに出てきたラキア王国の本当の目的とクロッゾ一族の血がメインテーマなんでしょうけど、やっぱりそっちよりヴェルフとヘファイストスの関係に目が行ってしまします。
つ~か、ヴェルフがヘファイストスにプロポーズしてますしw
OVA版では温泉でヘファイストスの石の彫刻画を作っていたヴェルフですがやっぱりそうだったのですね。
お姉さん風吹かせて上から目線だったヘファイストスもまさかの求婚にちょっと狼狽えますが、やっぱり神様、ヴェルフごときが敵う相手ではありません。
神と元眷族。本作ではあんまり見られなかった恋の駆け引きが面白いです。
ただこの時のことが後々ヴェルフの二つ名に影響を与えることになるとは。ヴェルフがちょっと可哀想に思えてきました。
神であっても女性って基本お喋り。特に嬉しいことはどんどん周りに話しちゃうんですねぇ。
エイナがベル君への想いに気付く
第4章のメインはエイナ。
メガネを掛けたハーフエルフ。ベル君の迷宮探索アドバイザー。公私の区別はしっかりと付けていると以前か立っていた彼女ですが、このお話でベル君をさらに意識した感じです。
というか、嘘だけどストーカーの前でベル君と付き合っていると言っちゃってるし。いくら嘘でも可能性ゼロな相手と付き合っているとは言いませんので。
まあね、ストーカーから自分を助けてくれたのですから、ベル君に良い感情を持つのは当たり前。これまでは弟って感じだったのでしょうけど、今回のお話で一人の男として扱うようになってもおかしくはありませんわ。
それにしてもベル君も結構強く出ましたね。以前もらった防具のお礼代わりにエイナの用心棒をしたいって。
まあそのおかげでエイナをストーカーから守れたのですけど。
アニメでこのお話が描かれることになったら、十中八九CVの関係から「キリトとアスナ」というコメントで溢れかえることになるでしょうけどw
シルの正体は?
5章のメインはシル。
フレイヤとの関係性がいろいろ言われている彼女ですが、今回のお話でフレイヤとのある関係が間接的にわかります。
そりゃあ顔が似ている感じになりますよ。だって娘なんですから。
それにしても豊穣の女主人の店員たち全員がシルのプライベートについて全く知らないのは意外でした。
というか、住み込みじゃなかったのかよ。
ソーシャルゲームのダンメモでアーニャやクロエが豊穣の女主人に住み込みしているような描写があったのでてっきり、シルも住み込みだと思ってのに。
シルがどこに行くか調べるために尾行したベル君でしたがあっさり見つかり、逆にシルからいろいろされることに。
まあ、膝枕やスカートの中を見せたりすることははっきり言ってご褒美。ホントにベル君が売ら也しいですわ。
メインヒロインはアイズではなくヘスティアだった
第6章の主人公はヘスティア。この章のヘスティアのセリフを見れば、本作のメインヒロインはヘスティアだと思う人がほとんどだと思います。
つ~か、あのセリフでベル君が靡かなければ、ヘスティアは絶対に勝てないでしょうね。それぐらい威力がある言葉です。
まあ見方によっては死んでも追い掛け続ける、つまり執念深いストーカーの言葉にも聞こえないことはありませんが、そういう感じ方する人は少数派だと思います。
この章のエピソードは2期の最後にするのにモッテコイな内容だと思います。神様と眷族が恋仲になったらどうなるか?それを想起させますし、またベル君とヘスティアの見せ場もありますし。
そういえばこの章のお話で、現状アイズがベル君のことをどう思っているかわかりますけど、これではヘスティアのライバルにもなりませんわ。
アイズ派の人にはちょっと残念かも。
終わりに
今巻はここで終了。
エピローグでは次巻に繋がる描写がありましたが、またベル君が巻き込まれるのでしょうね。
一応ここで第2部が終了。次巻第9巻からが第3部となります。
次巻も楽しみですわ。
第9巻の感想記事は以下のリンクからどうぞ。