【ラノベ】グランクレスト戦記第1巻の感想(ネタバレあり) 「テオ・シルーカ主従の栄光と挫折」

 

 

感想(ネタバレあり)

 

来年(2018年)1月から

アニメの放送が始まる

グランクレスト戦記

原作第1巻の感想です。

 

第1巻は主人公テオとシルーカの出会い、

そして挫折。

またそれによって

二人の結束が強まるところまでが

描かれています。

 

前半はシルーカ無双と言っても

過言ではない状況ですが、

後半になると一変。

シルーカの思い通りに進まなくなり、

シルーカが足掻くって感じですね。

 

最近、

いわゆる「なろう小説」と呼ばれるもの

ばかり読んでいたので

俺つえ~展開で終わらない作品は

新鮮に感じます。

 

 

グランクレスト誕生直前に・・・

 

 

世界を2分する連合と同盟。

 

その盟主たちの子息が結婚し、

大公の位を一つにする。

それによってグランクレスト(皇帝聖印)

が生まれるはずでした。

 

しかし結婚式場に現れた混沌のために

同盟と連合の盟主は死亡。

結婚式もオジャンに。

 

この時、

混沌にいち早く気付き

それを止めようとしたのが

シルーカでした。

 

しかしこの時の行動により

シルーカは厄介事に巻き込まれることに。

 

シルーカの行動を邪魔し、

結果的に大参事を防げなかった

ア―ヴィンは

シルーカの同意がないのに

シルーカ直属の侍従になって

シルーカを堕落させてしまいます。

(別に変なことをしたのではなく、

シルーカの身の回りのことを

なんでもやってあげたから、

シルーカに怠け癖がついてしまったということです)。

 

さらに運悪く

辺境の変態伯爵(ヴィラール)に見初められて

変態伯爵の契約魔法師に

させられることになります。

 

シルーカ自身は魔法大学で

もっと勉強したかったのに。

 

 

 

テオとシルーカの出会い

 

変態伯爵の元に向かう

シルーカとア―ヴィンの前に

変態伯爵と敵対する

同盟所属の領主の部下が立ちはだかります。

でもたった5人。

 

さすがにシルーカが手を出さなくても

ア―ヴィン一人で

やっつけてしまえる人数です。

 

 

しかし

シルーカはあえて自ら

戦おうとします。

まあ変態伯爵と契約しなければいけないという

鬱憤をこいつらにぶつける気でしょうね。

 

そんな時、

シルーカ達の元に助っ人が現れます。

見た目からちょっと残念な流浪の騎士。

名前はテオ。

 

 

これが今作の主人公であるテオとシルーカの

出会いでした。

 

そしてこの出会いは二人の運命を変えます。

 

自暴自棄

変態伯爵と契約したくない

テオに魅かれた

 

以上ような理由で

何とシルーカはテオと

契約してしまったのです。

 

 

そして宣言します。

テオの夢を実現するために

手助けすると。

 

ちなみにテオの夢は

故郷システィナ島の安寧。

でもそれを成し遂げるためには

力を付ける必要があります。

 

この世界では聖印がそのまま

君主の力を現します。

そして聖印は混沌を鎮めるか

他の君主から奪うしか増やす方法が

ありません。

 

という訳で

シルーカ(+テオ)は自分達の邪魔をした

領主の元に赴き、

領主を追い出すことに成功します。

 

 

ラシックとの戦い

 

 

流浪の騎士が

領地を奪う。

この情報すぐに近隣に伝わることに。

 

流浪の騎士以外情報がない中、

近隣の領主であったラシックは

好機到来と考え、

契約魔法師であるモレーノと共に

テオとシルーカの領地に攻め込みます。

 

ラシックは群雄割拠に備えて

身分不相応の軍勢を整えており、

テオたち相手に圧勝できると

考えていました。

 

しかしシルーカの元には

ア―ヴィンがいますし、

またシルーカが大好きな

邪紋使いのアイシェラが

シルーカの元に参上して

ラシックの軍勢を足止めします。

 

 

ところがラシックの魔術師モレーノは

シルーカを亡き者とするために

単独行動を取り、

シルーカを倒そうと襲い掛かります。

 

でもあと少しというところで

テオの加勢でシルーカが勝利。

 

腹心とも言うべき

モレーノを捕えられたことで

ラジック軍は戦意喪失し、

テオに降伏します。

 

 

どうしてこうなった

 

ラシックを従属させたテオとシルーカは

その後ラシックの領地を狙って攻めてきた

近隣諸侯を破り、

確固たる地盤を築き上げます。

 

また同時に

民を労わり、

混沌と対峙する姿に

名声はとんとん拍子に上昇。

 

でもやり過ぎました。

あまりの人気に

近隣で最大勢力を誇る

セーヴィス王が嫉妬。

 

ついには

セーヴィス王との

全面衝突に発展してしまいます。

 

戦力的には圧倒的に不利。

しかし情勢は

シルーカの思惑通りになり、

結果セーヴィス王の軍を破ったことで

テオのクレストは

セーヴィス王に並ぶことになりました。

 

流浪の貧乏騎士が

準子爵って・・・。

銀英伝のラインハルト並みの大出世ですわ。

 

今回はちょっと危なかったけど

やっぱりシルーカは優秀。

このままシルーカ無双が続くと思ったのですけど。

 

 

シルーカは

ここで同盟に鞍替えして

現在の領土を維持しようと考えます。

ただそれには

同盟の盟主たるマリーネの許可が必要。

 

でもシルーカは楽観視しています。

だってあの冒頭のシーンで

マリーネが混沌に巻き込まれず

命が助かったのはシルーカのおかげですし、

マリーネに使える魔法師は

シルーカの養父アウベストなのですから。

 

そりゃあシルーカでなくても

成功は確実と思いますわ。

 

しかし交渉は失敗。

マリーネはテオたちの

同盟参加を認めず、

そればかりか無理難題を吹っ掛け、

セーヴィス王と共に

テオの領地に攻め込んできます。

 

マリーネ自身は

シルーカの提案を受け入れるつもりでしたが

ある人物がそれに異を唱えたのです。

 

ここからは一気に急展開、

テオたちがどんどん追い込まれて行きます。

 

 

最後の勝者は?

 

藁にもすがる思いで

変態伯爵の元に赴くシルーカ。

しかし今は会う時ではないと

門前払いを食らいます。

 

 

こうなった以上、

徹底抗戦して

有利な条件で和睦するしか手がありません。

 

同盟軍1万以上に対して、

テオ達の軍勢は3000。

いくらテオたちが籠城しているとは言え、

敵は3倍以上の大軍です。

 

次々に倒れる味方。

この辺は現在流行りの

俺つえ~展開に慣れている人には

結構辛いものがあると思います。

 

ただ同盟軍も無傷ではありません。

モレーノの策略(詰めが甘かったので

シルーカが一部修正した)が決まり、

セーヴィス王を討ち取られますし、

マリーネ配下の騎士たちも

大損害を受けてしまいます。

 

その間に繰り返される

和睦のための交渉。

戦局の進展で和睦の条件が

どんどん変わっていくのは

リアルですねえ。

 

最後は意地と意地のぶつかり合い。

その結果最終的に勝者となったのは

意外な人物でした。

 

 

結局テオやシルーカがやったことは

この人物に利益を与えただけ。

でも自分の敗北を受け入れたテオは

シルーカと共にこの勝者の元で

やっかいになることに。

 

そして最後の最後、

シルーカは自分の気持ちに

気付いたようですけど。

 

まあ、

あれで気付かないのは

鈍感なラノベ主人公だけでしょうね。

 

 

本巻はここで終了です。

 

普通に読み応えありました。

連合と同盟の争いに

魔法協会や教会が絡み、

さらに混沌が影響を与える。

 

話に付いて行くのは大変ですが

その分繰り返して読みたくなる感じですね。

 

今のところ

主人公のテオが馬鹿正直すぎて

ちょっと心配になってきますが

きっと今後成長してくれますよね。

 

次巻も楽しみです。

 

第2巻の感想はこちらからどうぞ。

【ラノベ】グランクレスト戦記第2巻の感想(ネタバレあり) 「大講堂の惨劇の下手人があっさり判明」