【ラノベ】グランクレスト戦記第2巻の感想(ネタバレあり) 「大講堂の惨劇の下手人があっさり判明」

 

 

感想(ネタバレあり)

 

マリーネ率いる大工房同盟に攻められ

敗北確実と思われたテオとシルーカ一党。

 

そこに現れた好色伯ことヴィラール率いる

アルトゥーク伯軍のおかげで

同盟軍を敗走させることに成功します。

 

しかしヴィラールは

テオを助けるためにやってきたのではありません。

主目的はあくまで同盟軍の撃破。

その過程でテオが助かっただけ。

 

その結果、

テオはヴィラールに従属することになり、

せっかくの爵位も騎士に逆戻り。

これに関してはシルーカと行動を共にするため

あえて捨てたのですけどね。

 

そしてテオは

シルーカと一緒にヴィラールの居城に行くことに。

これが第1巻の最後の内容。

 

第2巻はこの続きからになります。

 

 

アルトゥーク伯領ってチート国家過ぎるだろ

 

ヴィラールの居城に連れて来られた

テオとシルーカ。

テオはヴィラールの近衛騎士、

シルーカは魔法師として

仕事をすることになります。

 

テオの場合は名目上だけであり

実質客人みたいなもん。

 

一方シルーカの方は

ヴィラールとの契約せず

テオと契約をしたという前科がありますので

他の魔法師たちから完全に敵扱いです。

 

好色伯が選んだ魔法師は美女揃い。

でもヴィダールは好色伯という2つ名がある癖にどちらかというと中身重視。そして魔法師たちには手を出そうとしませんからね。

 

たぶん好色伯って2つ名は

この布の少ないコスに拘っているので

付いたのだと思いますわ。

 

さて魔法師たちから

敵認定されたシルーカさん。

敵扱いと言っても

ちょっとだけ意地悪(?)されるくらいですかから

それほど辛いものではありませんけどね。

 

さてそのちょっとした意地悪(?)の中身ですが

それはアルトゥーク伯領の歴史を短期間で

学ぶこと+書庫の掃除。

 

最初は歴史の勉強だけと思って

短い時間でできると大見得切ったら

掃除を命じられたでござる状態。

 

さすがにこれは計算外。

でもいまさらできません

ではすみません。

というかシルーカのプライドが許しません。

 

しかしここで助っ人が現れます。

それはテオ。

 

何とテオはシルーカが

アルトゥーク伯領の歴史を学ぶという

話を聞き付けて、

自分も勉強するためにやってきたのです。

 

さらにテオさん、

自分が掃除を引き受けるから

シルーカが理解した内容を

教えて欲しいと申し出ます。

 

おいおい、

あんた君主だろ。

普通は立場逆じゃね。

テオが勉強して

シルーカが掃除するのが通常だろうが。

 

でも適材適所ということからすれば

これでいいのか。

 

まあテオが申し出たのですから

シルーカが拒む理由はありません。

 

結果、

約束の10日が過ぎる前に

勉強が終わったシルーカさん。

これでアルトゥーク伯領のことはばっちりです。

 

しかしアルトゥーク領って

ホントチートですわ。

 

第1巻の冒頭で出現して

二人の大公をマミッた

デーモンロードさん。

 

実は数百年前にアルトゥーク伯領に

出現して悪逆非道の大虐殺を行ったのです。

しかしアルトゥーク伯領の民は

これに抵抗。

結果、アルトゥーク伯領は今も健在という訳です。

 

そしてデーモンロードと戦う過程で

魔女、人狼、吸血鬼と協定を結び、

結果今でも彼らは

アルトゥーク伯領の防衛を担うことに。

これじゃ人間が攻め込んでも勝てんだろ。

 

チートすぎるわここ。

 

 

そういえばこの世界のことも

少し明らかになりました。

 

混沌爆発が起こる前、

人間は今よりも優れた文明を持っていましたが

混沌爆発で魔物が出現したりして

旧文明は崩壊したらしいのです。

この辺はSFの臭いがプンプンしますね。

こういう設定は今後のストーリーに

大きく関わってくるのでしょうか?

 

 

 

ラシックさん、セーヴィスを統一

 

アルトゥーク伯領訪問中の

 

ダルタニアの君主ミルザーから

テオやシルーカが小言を言われている頃、

テオから爵位や領地を預かっている

ラシックが行動を起こし、

前セーヴィス王ナヴィルの居城攻略を

開始します。

 

すでにこの城以外の

セーヴィス全土を抑えたラシック。

当然こんな城一つ

ものの数ではありません。

そしてあっという間に

残すは王の間だけ。

 

と思ったらここからが大変。

前セーヴィス王の契約魔法師が

魔物トロールを呼び寄せたのです。

 

ここに来てまさか

魔物とのエンカウントバトルが始まるなんて。

ラシック、モレーノ、そして従属君主であるナウリアの

3人でトロールと戦うことに。

 

そして最終的に

ラシックとトロールの一騎打ちにとなり

ラシックが勝利を収めます。

 

この戦いの過程では

モレーノがどれだけラシックのことを敬愛し、

そしてラシックにさらに高みに登って欲しいと

考えていることがよくわかりますわ。

 

こういう考え方だから

テオが戻ってきた時、

モレーノはラシックのために

何かやらかすかもしれませんね。

 

 

魔女の策謀に振り回される?

 

ヴィラールの使者、

というよりは顔見世のために

魔女、人狼、吸血鬼の集落を巡り

それぞれの長に挨拶をすることになった

シルーカとその仲間?たち(テオ、ア―ヴィン、プリシラ)。

 

最初に訪問した魔女の集落で

その長からトンデモナイことを聞くことになります。

何と今の混沌儀の状況が

数百年前デーモンロードが出現した

状況と似ているはずなのです。

 

これはまた大変なことになりましたねえ。

あの大公二人をマミッたデーモンロードが

出現すれば苦戦は免れません。

 

つ~か、ラスボス(?)みたいな奴が

そんなホイホイ出てきていいのかよ。

 

さらに過去、

アルトゥーク伯領で暴れまわった

デーモンロード、

実はある勇者に倒されていたという伝承を

魔女の長からシルーカは聞かされます。

 

でもデーモンロード倒したのなら、

なぜそれが記録に残っていないのでしょうか?

 

実はデーモンロードを倒した勇者さん、

名前をアデーレというのですけど、

何とデーモンロードに魅せられて

デーモンロードを倒した後、

魔王(新しいデーモンロード)に

なってしまったのです。

 

ただし本当のデーモンロードに

なったという訳でなく、

正確に言えばデーモンロードのレイヤーに

なったそう。

ちなみにレイヤーというのは

姿や能力を模倣する者の総称です。

 

そしてこの魔王さま、

事もあろうに魔法都市エーラムに

攻め込んで滅亡の淵に追いやってしまったと。

エーラムの人々は辛くも

魔王を討ち取りますけど、

当然勇者が魔王となったという話、

公にできません。

 

だからアルトゥーク伯領に

攻め込んだデーモンロードを

討ち取った話から

一切合切を隠ぺいすることに

なったと。

 

歴史の裏話ってやつですね。

歴史好きには溜まりませんわ。

 

でもこの話、

かなり高い確率でフラグですよねえ。

どうみてもこの魔王さま復活するフラグじゃんw

 

でもだからと言って

現状何かできもんでもありませんから。

 

嫌なことを聞いたシルーカたちは

次の目的地人狼の集落へ。

 

ここでは何にも起こらないかなと

思ったら、

何と同盟の騎士と思われる奴らが

人狼狩りをしていることが

明らかになります。

 

同盟はヴィラールが属する連合の敵。

当然シルーカは人狼と共同戦線を組んで

同盟の騎士たちを倒すことに。

 

その際テオはアルトゥーク伯領北方の従属君主

オイゲン男爵に協力を要請しますが

その際にテオの類まれなる才能が明らかになります。

 

テオさん、

人に取り入るのがべらぼうに上手いのです。

相手の考え方の人となりから

どうすればいいのか

瞬時に理解して相手を乗せる。

 

もしかして

第1巻でテオがシルーカの言うことを

素直に聞いていたのは

そうすることによってシルーカの力を

存分に発揮させようとする

テオの誘導術だったのかも。

 

 

魔王復活のはずが・・・

 

マリーネの部下の騎士であるエルマーを操り、

聖印を集めさせていた魔女ヤーナ。

彼女こそ、

大講堂の惨劇を引き起こした首謀者だったのです。

そして彼女の目的は魔王アデーレの復活。

 

ヤーナは吸血鬼の王と組み、

人狼の女王の娘であるエマとルナを人質にとり、

エルマーに女王を倒させ、

魔王が復活するのに必要な聖印が

溜めさせます。

 

魔王が復活すれば

当然アルトゥーク伯領は

大混乱に陥るはず。

そうなればマリーネが

兵を率いて大混乱となった

アルトゥーク伯領に攻め入り、

前回の戦いの雪辱を晴らせる。

それがエルマーが目的。

 

ヤーナとエルマーの利害が一致したことで

共闘することになったのです。

 

エルマーはヤーナに

篭絡されていましたが

マリーネに対する忠誠を忘れた訳では

ありませんでした。

 

 

あとは魔王を復活させるだけ。

なんか王道ファンタジー的な展開になってきましたけど、

ここで話は以外な方向へ。

 

実は1600年前にエーラムに

攻め込んだ魔王さま。

エーラムの人々に倒されたのではなく、

眠っていただけなのです。

それも封印されたとかではなく

自分で殻に閉じこもっただけ。

 

そしてそういうことをした理由は・・・。

まあここは第2巻の一番重要な部分ですから

ご自身で購入して確認してください。

 

ちなみになぜかこの魔王の復活に

立ち会うことになった

テオとシルーカ。

これが主人公とヒロインの特権なんでしょうかねえ。

 

 

結果的に魔王は復活したけど

自分でまた閉じこもってしまいました。

 

どうしてこうなった。

 

ヤーナはそう思ったに違いありません。

目的を果たせなかったエルマーは

人狼の女王を殺した報いを受け、

ヤーナは手駒を失うことに。

 

さらに今回の騒動の下手人として

吸血鬼の王と共に

アルトゥーク伯軍に

狙われることになってしまいます。

 

吸血鬼の王とヤーナが籠る

常闇の森に侵攻するアルトゥーク伯軍。

 

逃げる前にシルーカを倒そうと

魔法攻撃を仕掛けますが

テオの身を挺した行動で失敗。

 

シルーカってテオに守られてばかりですわ。

それにしてもシルーカの気持ちは

ハッキリしてますけど、

テオの方はシルーカのことを

どう思っているのでしょう?

 

自分の命を失うかもしれないのに

身を挺して守っている以上、

それなりに想っていると考えたいのですけど、

それさえもシルーカを操るために手段かも。

 

最終的に吸血鬼の王もヤーナも逃亡に成功。

これで一応一件落着です。

 

厄介な領地を押し付けられた?

 

吸血鬼の王が常闇の森を捨てて撤退したことで

すべてが終わりました。

後は戦後処理です。

 

そしてその一環として

常闇の森と城は

テオが城代として治めることになります。

 

子爵が治めるぐらいの広範な領地ですが

混沌レベルが至る所で高く、

テオは厄介な場所を押し付けられたと

言っても過言ではないでしょう。

 

しかしこの処置をテオは喜びます。

テオの出身であるシスティナ島も

常闇の森と同じく混沌レベルが高いところ。

つまりこの常闇の森を治めることで

得られる経験は

そのままシスティナ島を治める時にも

役立つのです。

 

あくまでシスティナ島の解放を目指す

テオにとっては確かに

これほどありがたい領地はないでしょうね。

 

ただしシルーカは

マルグレットからどんどん仕事を

回されており、

いつもテオの隣にいる訳では

ないようです。

 

そういえば人狼族ルナとエマは

テオの元に居着いてしまい、

隙あらばテオを自分達のもの(婿)

にしようと虎視眈々と狙っている様子。

 

そしてシルーカは

それを新たな脅威と表現してますけど、

この表現から察するにシルーカ自身、

テオに対する想いを確信しているようです。

 

ちなみにプリシラに対しては

古い脅威を表現して

それほど怖いとは思っていないみたいw

 

案外早いうちに

シルーカとプリシラは仲良くなれるかも。

 

そんなところで

第2巻は終了です。

 

水野先生があとがきで書いているように

2巻はファンタジー要素満載でしたね。

1巻と趣が全然違うから

最初面喰いましたが

これはこれで面白かったです。

 

しかしマリーネの陣営、

第1巻でヴィラールにしてやられ、

第2巻では有能な部下を失った上に

莫大な身代金を支払うことになり

踏んだり蹴ったりですわ。

 

マリーネが盟主の大工房同盟って

幻想詩連合に比べて

中央集権的らしいので、

マリーネの力が衰えると

それがそのまま同盟の衰退を

招くことになりそう。

 

その一方連合の方は

ヴィラール以外ほぼここまで記述がないので

どう動くのかがさっぱりわかりません。

 

魔王が再復活するかも?という変数も加わって

今後の展開が全く見通せなくなりましたが

果たして次巻はどうなるのでしょうか?

 

5巻までは購入済みなので

できるだけ早く読みたいと思います。

 

第3巻の感想はこちらからどうぞ。

【ラノベ】グランクレスト戦記第3巻の感想(ネタバレあり) 「道がないなら作ればいい」