【ラノベ】冴えカノGirlsSide第3巻の感想(ネタバレあり) 「フラットな彼女の正体はステルス〇〇女」

 

冴えカノGirlsSide第3巻より引用

 

テレビアニメ冴えカノ♭も残すところあと1話だけ(2017年6月20日現在)。そういうタイミングで発売となったのがこの冴えカノGirlsSide第3巻です。

 

GirlsSideは番外編と思っている人がいますが実質的に本編と同等、というか本編の隙間を埋める重要な役割を担っています。

 

さらにヒロインたちの視点で描かれているので倫也視点の本編より内容的に面白いかもしれません。

 

今回は3月に発売された本編12巻と数か月後に発売(されるはず)最終13巻の間を埋める大切なストーリーです。

第12巻の感想はこちらからどうぞ。

【ラノベ】冴えカノ第12巻の感想(ネタバレあり) 「ご都合主義で正面突破!そしてメインヒロイン今度こそ固定へ」

 

 

アニメ派の方はまずはアニメ化された原作本編5巻から7巻まで読み、そしてアニメ化されていない

8巻から12巻まで読んだ後、このGirlsSide第3巻を読むことをお勧めします。

 

加藤VS伊織となった「第三次正妻戦争」の感想

 

 

一人の男子高校生(倫也)を巡る加藤と伊織の争い。

直接言葉を交えないから余計に怖いです。間に立つ出海ちゃんホント可哀想。

 

やっぱり二人とも倫也に入れ込んでいるのですね。でも見方が違うのでお互いに正論言っているのに対立する。

 

たぶんこの2人、意見が交わることはないでしょうね。

 

伊織相手だと全く容赦しない加藤。

よく考えてみれば黒い加藤が表が出て来たのって原作8巻で伊織に「重たい」と言われてからですよね。

 

あの時の恨みも重なって加藤の本性が出て来たのかもしれません。たぶんこの章がこのGirlsSide第3巻で一番笑う話かも。

 

「Ota:CREATORS」の感想

 

本編では美智留以外影が薄い、icy tailがメインのお話です。

相も変わらず、ヒロインたちから一歩引いた客観的な目でblessing softwareのゲーム作りを眺めています。

 

たぶんicy tailのメンバーってうちら読者の目線に近いのでしょうね。だからゲームの良いところ悪いところが見えてくる。

 

一応最初はエンディングの曲を作る美智留のためという名目でしたがゲーム音楽にどっぷりとハマった美智留ため(?)にゲームのシナリオを読んで侃々諤々の討論会。

 

本当にオタクって討論するの好きですねぇ。

 

是非本編で倫也とicy tailメンバーがアニメに関して討論するシーン入れて欲しいですわ。

 

本編はあと1冊で終わるけどw

 

「龍虎、相討ち、相憐れみ・・・」の感想

 

この話は詩羽先輩とえりりを押すファンには辛い話です。

でもキレイに纏まり、仕方ないかという気分にさせてくれます。

 

まあ、詩羽先輩派にはまだ恋するメトロノームがありますから。

 

原作本編12巻で倫也が自分のサークルほっぽり出して紅坂朱音の仕事を肩代わりした理由。

 

その理由こそ、倫也を巡る女の戦いの結果を表すものでありました。第12巻最後の加藤に言った倫也のセリフはあくまで確認の儀式のようなもの。

 

詩羽先輩やえりりを倫也が助けると決めた時点で決着がついていたのです。

 

それに気付いていた詩羽先輩。

小説家なので人の心情を察知するのに長けているのでしょうねぇ。

 

詩羽先輩派の自分としては辛いですが仕方ありません。

 

詩羽先輩は高みに行きすぎたのです。えりりと同様に。

 

 

それにしても詩羽先輩優しいです。

自分の新作のインタビューと称してえりりに現状を受け入れさせようとしているのですから。

 

思えば詩羽先輩とえりりの関係はどんどん変化していきましたね。

 

上級生と下級生、倫也を巡る恋のライバル、信頼するクリエーター、そして・・・。

 

たぶんこの2人はこの後もいがみ合いながら今の関係が続いていくのでしょうねぇ。

そんな未来が見えます。

 

ルートを譲らなかった彼女

 

おそらくこの章がGirlsSide第3巻のメインのお話です。

 

自分のサークルほっぽりだして詩羽先輩やえりりの手助けに行ってしまった倫也。

 

そんな倫也に対して原作第6巻から7巻でやったことと同じことする加藤。加藤進歩してませんね。

 

でも加藤が拗ねて仕事をしなくなってしまってはゲームの完成がおぼつきません。

 

そのため、サークルのプロデューサーやOGがそれぞれ伝手のあった出海ちゃんと美智留を使って加藤にやる気を出させようとしますが・・・。

 

やる気を出した加藤は出海ちゃんや美智留と共に合宿をすることに。でもまさかこの合宿で加藤がその気持ちをオープンにすることになるとは。

 

原作11巻ぐらいから少しづつ加藤の気持ちが公開されてきましたが、この章ではさらに一歩踏み込んだ気持ちが明らかになります。

 

気持ちを吐露させるように追い込んだ美智留グッジョブと思っていたら、その美智留を操っている人物が。

 

ここでもお節介を焼くのかい。

人が良過ぎですよ黒幕さん。でもこれもたぶん想い人のためなんでしょうね。倫也ってホント罪作りですわ。

 

それはともかく、黒幕のラノベ作家が美智留操って加藤の心情を丸裸にしたことがバレてしまったことにより今度は加藤が反撃します。

 

加藤は倫也とつき合っているのか問われて、ある言葉を発しますがそれが本当に最高なのです。

 

要らぬ詮索をする奴らを一挙に殲滅しました。

 

しかしその後また加藤がさらに心情を吐露することに。

 

普通を愛する加藤。そりゃあ恋も波乱なく進むのが良いと思うのは当然です。ホントの恋はゲームではないのですから。盛り上げる要素なんていらないのです。

 

 

ここはホント読んで欲しいです。

笑いとシリアスが絶妙でその上加藤の気持ちが何となくわかってきますので。

 

あと美智留が加藤を指して「ステルス地雷女」と評してましたけど、この章読めばそう思うのも当然です。

 

エピローグ、そしてやっぱり13巻のプロローグ

 

12巻の最後、倫也の家で作業を行い、自分の家に帰っていくサークルのメンバーたち。

 

えりりの技術の神髄を盗もうとした同人ゴロ、えりりのからあることを学びとった巨乳絵師、倫也との関係を変えるつもりのない従姉妹、原作7巻の最後で宣言した通りまだ倫也のことを諦めていない先輩、イラスト書きながら涙を流す幼馴染、みんなそれぞれの思惑が垣間見れて面白いです。

 

特に先輩。

このGirlsSide第3巻は黒子のごとく様々な問題に決着を付けるためにかなりお節介をやってきましたが、まだ倫也を諦めていないなんて。

 

そして最後は倫也のあの言葉、12巻の最後でも描かれたたぶん加藤が待っていたあの言葉でエンドです。

 

 

終わりに

 

読み始めたら止まらない。

そんな言葉にふさわしい内容です。

それぞれのキャラが際立ち、良い仕事してますわ。

 

今回、加藤の複雑な心情のようなものの一端が明らかになりましたが、全部理解するのは難しいかも。

 

でもだからこそリアリティがあるのですよね。人の心情って簡単に分かるものではありません。いろいろなものが複雑に絡み合って形成されているのです。

 

本人だって理解するの難しいのに他人が理解できる訳ありません。理解できなくてもぼんやり輪郭のないイメージのようなものが見えてくる。

 

倫也に魅かれているのは確か。そして他の人には渡したくないという想いもある。どうしてそう思うようになったのかはわからないけど。

 

さあ、残るは原作本編13巻のみ。

果たしてどういう結末を迎えるのか?楽しみに発売まで待つことにしますわ。