感想(ネタバレあり)
第2巻でアドミニア公国軍に勝利し、公国の公都「ヴァン」を占領したソーマ率いるエルフリーデン王国軍。
それに待ったを掛けてきた帝国の交渉が今回のメイン。
帝国との交渉を上手く終わらせるとソーマはエルフリーデン王国内の獅子身中の虫の排除までやってしまいます。
一般的な勇者とはかけ離れていますけど、ソーマって超人的過ぎますわ。
第2巻の感想記事を読みたい方は以下のリンクをご利用ください。
【ラノベ】現実主義勇者の王国再建記 第2巻の感想「内戦そして外敵との戦い」
前国王夫妻は何度も経験したの?
「これで……変えることができたかのう」
「大丈夫でしょう。あのときとは違い、今回ははじめからあの子がいます」
「二人なら必ず、あのときとは違う結果を導けるはずです。それにいまは二人じゃありません。あのときよりも、もっと賑やかじゃないですか」
現実主義勇者の王国再建記第3巻より引用
これは原作3巻の前国王夫妻の会話を引用したものですが、どう思いますか?
どう読んでも前国王夫妻が「タイムリープ」とか「死に戻り」しているとしか思えないような内容ですね。
まあ、召喚した勇者にいきなり国王の位を譲るような王様、普通はいませんよね。
勇者の人となりもほぼわからない状態で。
本作って勇者が異世界に召喚されて内政知識で「俺つえ」やるだけの作品だと思ってましたが、もっと深い作品だったようです。
帝国との外交交渉
アドミニア公国との戦争に勝利し、公国の公都「ヴァン」を占領したエルフリーデン王国軍。
しかしここで横やりをいれてくる国が。
アドミニア公国は「人類宣言」に調印した加盟国。
そのため人類宣言を布告した帝国はアドミニア公国のために嫌々ながらエルフリーデン王国と交渉することになったのです。
「ヴァン」の返還を求めて。
元々はアドミニア公国が先に仕掛けた戦争であり、帝国も公国の方が悪いとわかっているのですけどねえ。
まあ、そういうことを含めていろいろやるのが外交というもの。
アドミニア公国の頭ごなしに交渉する帝国と王国。
そして結果的にヴァンはアドミニア公国に返還されることになります。
ただ今回の帝国と王国の交渉において、ヴァンの返還云々はおまけにしかすぎません。
実はもっと大事というか有意義な交渉が行われたのです。
案外ソーマはそっちの方を狙って帝国との外交交渉に臨んだのかもしれません。
次いでに言うと、ソーマはヴァンの市民に「自由」を味わせました。
これまで軍事第一主義で自由というものを知らなかったヴァンの市民は、ソーマのおかげ(せい?)で自由というものを知ってしまいました。
これは完全な時限爆弾となります。
後々の伏線を埋めておくなんてソーマ優秀過ぎ。
獅子身中の虫の排除
内戦終わって、戦争終わって、残りは戦後処理。
内戦でソーマと戦った者たちへの処分が下される一方、ソーマにとっての獅子身中の虫たちの排除もソーマは一緒にやってしまいます。
ソーマはマキャベリの言葉を理解し、エルフリーデン王国を内部から腐らせる奴らの排除を一気に行いました。
これ結構勇気いりますよ。
獅子身中の虫である貴族たちは面従腹背してただけ。
ソーマの治世にもソーマの影響力が強いうちは協力するつもりだったのです。
まあ、普通だったら悪いところには目をつぶってソーマも利用してやろうと思うはず。
ところがソーマは簡単に切り捨てることを決断しました。
後々のこと考えたら英断ですけど、短期的にはいろいろ面倒なことになりそうなのに。
まあ、こういうことができるところもソーマの有能さなんでしょうね。
ちなみに獅子身中の虫たち以外への処分はカストールがエクセルの元にお預け、そしてカルラはソーマとリーシア奴隷となってメイドをすることに。
ゲオルグは一足先に牢屋で自裁したと発表されましたが、ゲオルグの退場と前後して「カゲトラ」という名前の得体のしれないキャラが出てきました。
一体カゲトラの正体は誰なんだ(棒読み)。
ヒロインたちの関係
案外気にしている人が多いかもしれないソーマとヒロインたちの関係。
この3巻ではアイーシャが正式に第2正妃になることが決まり、ジュナは「プロジェクト・ローレライ」でジュナの代わりになる人物が見つかり次第、ソーマが迎えに行くことが決定。
正式な嫁がどんどん増えていく予感です。
その一方奴隷になったカルラですが、ソーマから大事な役目を与えられます。
それを成し遂げたらたぶんカルラ自身も死ぬことになる役目。
ソーマってカルマをかなり信頼しているようですね。
でも実際問題カルラにはできそうにないですけど。
カルラもソーマに骨抜きにされそうなので。
そういえば、今巻の最後の方でやっと同衾イベント発生です。
誰が同衾したのかは実際に読んでご確認ください(一緒に寝ただけですけどね)。
現実主義勇者の王国再建記 第3巻を読み終わって
エルフリーデン王国が撤退したアドミニア公国で何か起こったところで終了。
まあ、軍事第一主義国の国民が自由を味わってそのまま同じように軍事第一主義を受け入れる訳ありませんからね。
特にユリウスは戦争に負けて権威が全くない状態ですし、妹のロロアが暗躍しそうですし。
次巻はアドミニア公国との関係に終止符を打つことなるお話です。
次巻も面白いですよ。
第4巻の感想記事はこちらからどうぞ。