【ラノベ】現実主義勇者の王国再建記第1巻の感想 「国の立て直しが急務だけど前途多難」

 

 

感想(ネタバレあり)

 

Amazonで安くなっているの知って購入しました(既に安売りが終わっている場合があります。その点はご了承ください)。

 

実はツイッターでフォローさせて頂いている方がこの作品について呟いていたので、ちょっとだけ興味があったのです。

 

で、読んだ感想を一言で書けば、普通の異世界系なろう小説です。

 

かなりというか完全に内政寄りですが。

 

 

簡単なあらすじ「戦闘描写がほぼない」

 

大学に入学直前の相馬一也は異世界に召喚されてしまいます。

 

彼を召喚したのはエリフリーデン王国の国王アルベルト。

戦費が出せないのなら勇者を召喚して引き渡せ」と言ってきた帝国に抗うことができず召喚したのです。

 

帝国に引き渡されれば何をされるかわかりません。

 

魔族との戦争の最前線で戦わされるかもしれませんし、勇者の体はどうなっているか調査するため解剖される可能性だってゼロではないのです。

 

必死でどうするべきか考え国王たちと協議する一也。

 

いろいろアイディアを出す一也を気に入った国王はとんでもないことを言い出すのです。

 

一也に国王の地位を譲る」と。

 

そして国王を譲られた一也改め国王ソーマは戦費をかき集め、自分を帝国に引き渡さないで済むように頑張ります。

 

戦費を調達できて引き渡しの話を解決すると次はこの疲弊したエルフリーデ王国の再建に取り掛かるソーマ。

 

ソーマが1巻でやったことをまとめるとこんな感じ。

  • 商品作物の栽培縮小して食糧難に対処
  • いらない宝物を売却
  • 玉音放送を活用
  • 平民から人材を登用
  • 不正の洗い出し
  • 交通網の整備
  • 新港湾都市建設
  • 災害救助

 

どれも国を再建するためには必要なことですが、これで既得権益を侵されるものたちが出てきます。

その代表が好き勝手私腹を肥やしていた貴族たち

 

追放された旧貴族たちは王国の軍事を掌る三公爵に泣き付き、失地回復を図ろうとしますが。

 

それに便乗する輩もおり、前途多難、この先どうなるの?

というところでこの第1巻は終わりです。

 

簡単な感想「テンポは良い」

 

この手の内政メインの作品の悪いところ、それは説明が長々と入ってテンポが悪くなるところです。

 

どうしても作者さんの熱い思いが文章の乗り移って酷い作品だと3~5ページぐらいずっと説明という作品も。

 

確かに説明も大事ですけど、読者が読みたいのはまずストーリーですから。

 

その点本作は説明は案外短めですね。

まさに必要最小限で説明もわかりやすい。

 

これぐらいの説明だったら苦になりません。

 

そして説明が短めなおかげでテンポよく話が進んでいる感じです。

 

 

主人公のソーマは一応勇者ですけど、勇者らしい描写はほぼありません。

 

というか、異世界ファンタジーものの見どころである戦闘シーンすらもないなんて。

あることはあるのですけど、あれは勇者の戦闘とカウントするのは…。

 

まあその代わり災害の人命救助がかなり丁寧に描かれているので。

 

戦闘がない一方、「異世界ものにありがちなハーレム要素」はしっかりと入れ込まれております。

 

前国王の娘であるリーシア、ダークエルフのアイーシャ、歌姫のジュナさん、ケモ耳枠のトモエちゃんなど奥さん候補になりそうなキャラがいっぱい。

 

ただキャラ多いとどうしても一人一人のエピソードが短くなりがち。

第1巻ではリーシアやアイーシャがスポットライトを浴びていた感じですが、第2巻以降に他の奥さん候補も脚光を浴びるシーンがあるのでしょうか?

 

以上が良いところの感想。

 

そ次に悪い点もいくつか。

 

まずはパロというかいろいろダイレクトに書き過ぎ

もしアニメ化する場合は絶対にネックになります。

 

つ~か、主人公の名前からほぼアウトだろ。

大抵の人は「おあがりよ」の主人公思い浮かべるかと。

ソーマじゃなくて、一也で良かったと思いますけど。

 

 

あと主人公のソーマが良い人過ぎてちょっとキャラが立ってない感じが。

 

この辺が悪い点ですかね。

 

ただこの手の内政系メインのラノベでは十分良い方の作品で、

お金を出して読む価値はあると個人的には思います。

 

 

 

アニメ版で一部変更があった点

玉音放送を通じてジュナさんが歌うシーンがある1巻。

原作でジュナさんが歌ったのは、さだまさしさんの「がんばらんば」。

 

ところがアニメ版ではそれがスレイヤーズNEXTの主題歌だった「Give a reason」に変更されたのです。

 

 


 

たぶん「がんばらんば」だとアニメに合わないと判断されたのでしょう。

 

そして「Give a reason」が採用されたのは、「本作のアニメ版の監督がスレイヤーズNEXTの監督を務めた渡部高志さんであること」、そして「本作の制作にキングレコードが関わっていたから」かと。

 

YouTubeで公開されているジュナさんのCVである上田麗奈さんが歌っている「Give a reason」聞きましたが、良い感じでした。

 

本家の力強さはありませんが、しっとりしてて何度も聞きたくなります。

 

個人的には良い改変だったと思います。

 

現実主義勇者の王国再建記第1巻を読み終わって

 

戦闘が全くなかった第1巻とは逆に、第2巻は戦闘の連続となります。

個人的には2巻の方がより「なろう小説っぽい」と感じました。

 

 

 

第2巻の感想記事はこちらから。

【ラノベ】現実主義勇者の王国再建記第2巻の感想「内戦そして外敵との戦い」