【ラノベ】おさまけ第3巻の感想 「シロが末晴との適正距離と位置を把握する」

おさまけ第3巻の表紙

 

感想(ネタバレあり)

 

2021年4月からアニメ放送が開始となったおさまけ。その原作3巻の感想記事です。

アニメの出来にはいろいろ言いたいことがありますが、それは置いておくとして。

 

この原作3巻の主人公はシロ。

 

クロやモモと違い、腹黒感があんまりないシロ。

その分ポンコツ感がハンパないですが。

 

そのシロが末晴ゲットのため、今回哲彦と共闘します。

 

曲がったことが嫌いなシロから見れば哲彦なんて一番共闘したくない相手なはず。

でもクロやモモを出し抜き末晴獲得レースで勝利するためには哲彦と手を握るしかないと決断しました。

 

まあ、それだけシロは焦っているということなんでしょうけどね。

 

クロが末晴を振ったことで圧倒的に優位な立場にいたのに、記憶喪失という手段を使った元の距離感に引き戻したクロ。

さらに転校してきて末晴との距離を一挙に詰めたモモ。

 

こう考えるとシロだけ置いてけぼりくらっていると思っても仕方ありません。

 

そこで哲彦と共闘し、沖縄合宿を計画し末晴との距離を詰めようとしたのです。

 

結果、想定外のことが起こり過ぎて当初の計画はご破算

でもそのおかげで末晴との距離感と適度な位置を把握できたのは上出来だったかと。

 

さらにおまけで、末晴の世話をするという名目で末晴との同居までできる事態に。

 

まさに今巻はシロの逆襲の話と言っても過言ではないでしょう。

 

その一方、見てて辛くなるのがクロの妹である蒼依ですかね

朱音が末晴への想いを認識しだす一方、すでに自分自身の末晴への想いに気付いてた蒼依。

シロを見守る末晴をさらに見つめる蒼依はホント可哀想。

このシーンで蒼依に転んだ読者結構いるかも。

それくらい儚く、そして蒼依に肩入れしたくなります。

 

 

見どころその1:「シロがクロを出し抜く」

記憶喪失の嘘で末晴との距離感を元通りにしたクロ。

さすがにシロも焦ったようで、クロを出し抜き沖縄合宿で末晴にモーションを掛けるだけの時間を稼ぐことに成功します。

 

クロとクロの家族の予定を調べ上げたうえで、クロたちがすぐに合流できない予定で沖縄合宿をぶちこむ。

 

さらに合宿の計画を通すために哲彦と共闘することも厭わない。

 

ここだけ見るとシロも策士です。

さすが芥見賞作家。

計画を作る腕は凄い。

 

ただ計画は計画。

実施しようとすれば絶対に上手くいかないのもお約束です。

 

 

見どころその2「モモは自分の現状が見えている」

クロとシロがつばぜり合いを繰り広げる一方、末晴獲得レースで出遅れているモモ。

 

しかしモモはそういう現状はしっかり把握済。

その上で末晴ゲットのためにはどうするかよく考えているようです。

 

現状末晴はモモを妹分、つまり恋愛対象と見ておりません。

まあ、子役時代の後輩、さらに年下。

これで恋愛対象にしたらロリ〇ンですからね。

 

そこでモモが考えたが現状維持。

シロとクロが争い、末晴が誰か一人を選ばないという現状を長引かせて時間を稼ぐというもの。

 

時間が経てばモモも成長し、末晴のモモへの認識が変わるかもしれない。

それに時間が経てば芸能人として大成するであろう末晴の隣にいられるのは、同じく芸能人として大成するであろうモモだけ。

 

仮に末晴がハーレムを選ぶならそれはそれで良し。

ハーレムを選ぶということは誰か一人に寵愛が向かう訳ではない。

今はハーレムを許容して、さらに時間が稼いでモモ一人を選ぶようにさせる。

 

モモってホント怖いです。

すぐにでも末晴を独占したいクロやシロと異質過ぎる。

 

こういう見方ができるのは強みでしょうけど、何か嫌ですわ。

 

 

見どころその3「シロが末晴との適切な距離感と位置関係を把握する」

 

好きな人を独占したい。好きな人の隣にいたい。

こう思うのが普通でしょう。

 

シロもそう思っていたはず。

しかしなぜか上手くいかない。

 

クロを出し抜き二人きりなれるような計画を立てたに上手くいかない。

そして悩んだ末出した結論でシロはようやく末晴との距離感と位置関係を把握します。

 

男女の昔の意識みたいで毛嫌いする人もいるかもしれませんが、ベストな距離感や位置は人によって違いますしね。

 

またシロの努力を目の当たりにした末晴はシロへの気持ちがだいぶん近づいたようです。

 

つ~か、終盤はシロに肩入れし過ぎ

 

クロの語尾に「好き」を入れる攻撃も効いているようですが、それ以上にシロへ執着するような感じに。

 

合宿前に蒼依が末晴に釘を刺してなければ一気にシロが押し切ってたかも。

 

そう考えると蒼依の一言が、ヒロインレースの決着を送らせたと言っても過言ではないでしょう。

 

 

末晴を想うのはシロクロモモだけではない

末晴のことを好きなのはシロクロモモだけではありません。

まあ2巻の時点でそうだろうとは思ってましたが、この第3巻で蒼依も末晴が好きだということが判明します。

 

それも末晴への想いを認識し始めた朱音を慰めるという過程で。

 

蒼依自身はだいぶん前に末晴が好きだとわかっていたようです。

でも同時に自分の大事な人々、クロや碧も末晴が好きだとわかる。

だから自分の末晴への想いをわかっていて蓋をしてたようなのです。

 

末晴へアタックしてダメだったらまだ諦めがつくかもしれません。

でも蒼依の場合はクロや碧、そして朱音をことを考えたら自分がアタックする訳にはいきません。

蒼依は優しい子、つまり周りの大事な人々に気を使いすぎてしまうのです。

 

報われない恋。

現状蒼依の恋はそういうことだと思います。

 

チャンスがない訳ではありません。

現状末晴は誰か一人を選んだ訳ではありませんからね。

しかしチャンスを掴むならヒロインレースに参戦しなければいけません。

 

果たして蒼依はヒロインレースに参戦することができるのか?

今後の蒼依にも注目しなければなりませんわ。

おさまけ第3巻を読み終わって

シロが立ち位置を把握。

そして末晴の中でシロの存在が大きくなった今巻。

 

次巻では負傷した末晴を介護するという名目でシロがさらに攻勢を掛けます。

 

今巻ではあまり良いところがなかったクロが逆襲なるか。

次巻も楽しみです。

 

第4巻の感想記事はこちらからどうぞ。

【ラノベ】おさまけ第4巻の感想『クロが「おさかの」で逆襲?』