感想(ネタバレあり)
アニメ化が発表された空挺ドラゴンズ。その第1巻の感想です。
第1巻では龍捕りとはどんな職業なのか?またそれを生業とする者たちに日常が主に描かれています。
その一方キャラクターの紹介は少なく、掘り下げも少なめ。各話でメインとなるキャラの簡単な性格や事情を察することができる程度。1巻の段階ではキャラクターの細かい事情がわからず感情移入しにくいかも。
第1巻の範囲では「ミカはドラゴンを食べるのが好き」ぐらいしか記憶に残らないかもしれません。
ただし大空でドラゴンを狩る時の泥臭い戦闘、ドラゴンを調理する過程、ドラゴン料理を食べるシーン、捕龍を生業にすることで歓迎されない空気、どこか初期のジブリアニメを想起させるような作風など見どころはたくさんあります。
flight1の感想 「捕龍する者たち、そして龍を食べるのが大好きな主人公」
第1話は世界観と捕龍の簡単な紹介、そして主人公ミカのことがメイン。
正直ミカ以外まだキャラと名前がほぼ一致しません。
そりゃあ、まずは世界観を読者に分かってもらわなければいけないので。
どうやらこの世界、空にドラゴンが闊歩しており、そのドラゴンを捕らえて生計を立てる龍捕りなる職業があるようです。
何かまんま捕鯨を想起させますね。
そこから本作のアイデアが生まれたのかもしれませんが。
本作は世界で必要とさせているのに忌避されていること、危険であること、金になることなど理想論よりも暗い現実を描いています。
その辺は好みがわかれるかもしれませんが、私は結構好きです。
まあ主人公が中年とまでは言わないけど、ドラゴンを食べることしか興味がないおっさんなので、理想論や熱血を前面に掲げる訳にはいきませんからね。
理想より現実が前にくるのは仕方ありません。
ただこのおっさん(ミカ)、結構良いことも言っております。
こういう細かいところが読者を引き付けるのかもしれません。
flight2の感想 「小さいドラゴンも美味」
第2話は新人タキタがメイン。
どうやら大きな借金を背負っているようで、そのせいであることに目がくらんでしまいます。
ただそのせいで仲間が負傷することに。
この2話は繋ぎ方が上手いですね。龍を捕らえれば一攫千金も夢ではないこと、タキタの借金のこと、タキタが小さい龍を見つけたことなどが順序立てて語られているので、展開がスムーズ。
そして最後はこの話でもドラゴンを食べる。
ドラゴンを調理するのはちょっとグロが入ってますが、鶏を捌いているような感じでしょうかねえ。
食べてる絵の鶏の丸焼きを食べているように見えますし。
そういえばしっかりとオチも付いてました。
ギブスは本当に風邪なんでしょうか?
この展開から考えるとあのドラゴンのことで無意識にストレスが溜まっているような感じにも見えます。
flight3の感想 「美人さんがミカに興味を持った?」
第3話のメインはヴァニー。
この手に作品には1人はいる影のある美人さん。龍捕りのことがあんまり好きでは無い様子。でも生きていくために仕方なくやっている感がハンパありません。
そして新しい龍が出現し、飛び出すミカを追ってヴァニーも龍を狩ることに。
まさに対照的な二人が龍狩りで協力し、一緒に龍を食べる。
その結果、ヴァニーはミカに興味を示す。
やっぱり何かに打ち込む(というか好きなものに貪欲なだけ?)男は魅力的に見えるのでしょうか。
愛とか恋とかではなく、ただの興味。
でも今後何か起こるかもしれませんので、この二人のこともしっかりと追いたいですね。
flight4の感想 「完全にラピュ〇のオマージュ」
第4話のメインはジロー。
でもジロー云々よりもこの4話はどう考えても〇ピュタじゃね?と思ってしまいます。
龍捕りだったジローの父親からジローが聞いた話。
それは光る龍がいる。それも嵐の中に。そして船は運悪く嵐に捕まりそう。
うん、どう考えてもラ〇ュタです。空飛ぶ都市を光る龍に変えただけ。
まあ、オマージュであることを気付いてほしくてここまで似せたのでしょう。
そして結末の違うことをより際立たせるために。
結末の違いと言っても、ラピ〇タの場合は都市にたどり着き、本作の場合は光る龍に逃げられたということですけど。
ジローがメインの話なのに、ジローのことが全く印象に残らない。
この船で数少ない律義で真面目なキャラクターなのに。
やっぱりこの手のキャラは印象が薄くなる宿命を負っているのですかね?
flight5の感想 「人間同士の戦いの結果?」
これまでは人間VS龍という構図でしたが、今回は人間同士の戦い。
捕龍船を狩る空中海賊と龍捕りのバトルとなります。
しかしまあ、空中海賊も手の込んだ罠を仕掛けますねぇ。救難船を撒き餌として助けに来た捕龍船を狩るなんて。
まあ普通救援を求めれ助けることができるなら誰だって助けますよ。
そして始まる空中海賊との死闘…と言いたいところですが、何か龍と戦っている時と違って悲壮感がない。
つ~か、武器を持ってないミカ一人に制圧される空中海賊って…。
また龍を見つけたらそっちの方に興味が向いてしまう龍捕りって…。
まあこれはこれでアリですわ。
終わりに
1巻はここで終了。
巻末にはタキタの説明コーナーも付いているので興味がある方は是非購入しましょう。
アニメ化が決まるぐらいに作品なのでやっぱり面白いです。
キャラも個性的でいろいろ謎がありそうなのもいいですね。今度船員たちの過去の話とかやってくれるのでしょうか?